"アタシ"
〜…6月8日

「つ~きのさぁんっ♪ちょっといいかなぁ⁇」
ぶりぶりとした声が耳にまとわりつく。数人の少女たちに囲まれてしまったらしい。

「ん?なに?」
と,わざと明るい笑顔でかえすと

「さっすがぁ!あの哉斗くんに告られるだけあって,媚びうるのと笑顔はいちだんだねぇ?みんな?」
と周りにいた少女とわらいはじめる。

「ちょっといい?てかくるよね?」

耳元で女子の低い声がながれる。
この声はこのグループを仕切ってる
石田彩乃(イシダアヤノ)のものだ。

「どこに?哉斗もつれてく?」

私はずっと笑顔を崩さず受け応えた。

チッ...と短い舌打ちのすぐあと。
「ちょっとこいっつてんだから黙ってこいよ‼︎テメェが何回もふってんのにこうゆうときは利用すんのか?あ?つくづく最低だな」
彩乃は私を嘲笑うように見下した。

うん。だってしってるし事実だもん。そんなことで怒らない。

-でも,勝手なことだけど私の気持ちもなにも知らないで言われたのは正直腹が立った
「どこいけばいいの?はやくしよ?休み時間おわっちゃうよ?」
そう笑顔で受け応え,私はついていってしまった。

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