"アタシ"
私が呆然としてるうちに私に群がっていた男子達は。恐怖で固まっていて、男のくせに泣きじゃくっていた。
男子達は何があっても,こんな事は2度としないと言いながら謝っていた。

でも私からしたらこんな男子たちより私を助けてくれた1人の男子しか気にできなかった。

ーー名前は?
クラスは?
なんで私を助けてくれたの?
いつもここにいるの?ーー

ききたいことは山ほどあった。
でも自分からはさっきの恐怖のせいで口がうまくひらかず話しかけることは出来なかった。

「おい。」
「ひゃいっ?!」
ふいに声をかけられて声が裏返ってしまった。

「ひゃいって」
とその彼は笑いはじめた。
別にそんな笑わなくたっていいじゃん。と思い恥ずかしくなってうつむくと頭に少し重みがあり柔軟剤のいい香りがするものが覆いかぶさった。
「ん?何これ…?あっ!…ジャージか!」

「そ。」と言って彼は私に微笑みかけた。
「あいつらが触ってた制服なんて着たくないだろ?まぁ、いいならべつにいいし、俺のも着たくないかもしんねーけど。別に気にしてねぇなら貸すよ。どうせサボるし」
私の正面に来て彼はニッと笑った。
ドキッ…。と私の胸は確かに高なった。
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