"アタシ"
「そんなの私の勝手なんですけど。私にも基本的な人権はありますし!名前くらい教えなさい!」

「フッ…ハハッ!おまえ、うける!ちょー気に入った!3-Fてことは教えてやるよ、でも名前はやーだ。」

ひとしきり爆笑したあと竜ケ崎くんは、ぷいっと横を向いてしまった。
て、3-Fてことは先輩だ…!
どうしよう。竜ケ崎くん絶対怖い部類にいる。
とりあえず、謝るしか無いかぁ…

「えと、さっきからタメ口ですいませんでした!先輩だってしらずに…私その…実は2年でしてクラスは…」
私があたふたしてると

竜ケ崎くんは優しく微笑み

「知ってる。有名じゃん。かわいいって。」

か…、かわっ…はぁ、よくこんな当たり前のようにいえるなぁ…
どんだけ女慣れしてんの!あーなんか、もやもやする。なんで初対面の人にこんな…

私が私の中と葛藤していると竜ケ崎くんはすこしさみしそうに微笑み口を開いた

「あと今更敬語とかやめろよな。なんか距離感じるじゃんか。あと先輩呼びもやだ。くんもいらねぇ。呼び捨てでいいから」

なんで…なんでそんな顔すんのよ…なんか泣きそうになるじゃん…しかも距離って…今日初めて話したじゃん…
………ん?でもなんだろ…この胸のつっかえ…

「…わかった。じゃあ、名前おしえて。名前で呼びたい。それなら苗字呼びより距離感じないでしょ?」

またもや、彼は「フッ」と吹き出した。

「はぁ…本当優梨にはかなわねぇわ。」
私の名前…知ってたんだ…。
名前…呼んでくれた…
なんかそんな些細なことでも嬉しくなった。
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