"アタシ"
「俺の名前…な?洸(ヒロ)だよ。竜ケ崎洸(リュウガザキヒロ)」

「洸かぁ…」

「…なんか照れる。あんま呼ばせてねぇからな。」

じゃあ、呼んでる私は洸にとっての名前呼びの極少人数に含まれるのかな。
なんか嬉しい。

「あ、おい。もう少しで王子さまのお出迎えだな」
洸が私の頭にぽんっと手をおき,立ち上がった

「え?」

「じゃ、俺はそろそろいくか…」
私のあたまから洸の手はとっくに離れていた。

洸とはなれなきゃだめなの?
やだ…そんなのやだ…自分でもおかしいわかってる。
でももう会ってこんな風に話せないかもしれないって思ったら。
涙が溢れ出てきた。

「…やだよ…嫌!離れたくない私…おかしい…洸のこと今日知ったのに…私洸のことよくわかんないけど…!…んっ」

ースキー

その2文字は洸の口で塞がれた。
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