『子守唄はTake Five』
恋人と別れた日に…
別の人と付き合いを始める事に躊躇う私。
「今までは職業倫理で黙っていたけど…別れたんだしもういいだろう?」
マスターはそう言った上でこう口にする。
「彼の方はもう大分前から前に進んでいる…
新しい恋人の事を俺の口から君に伝えて欲しかったのか?
Barに何度も連れて来てたんだ、ふざけんな…って思ってたから
自分の言葉で別れを告げろ!そう言ったんだよ。
3年も試乗して自分に合わないとかホント頭にくるよ。
サッサと返却しろ!って思ってたし…」
「しっ……試乗?何その隠語的な言い方…」
アルコールとは全く関係ない火照りで私の顔は真っ赤に違いない…
クールに見えたマスターが私と彼をそんな思いで見ていてなんて全然気が付かなかった。
客じゃないと認識した途端あからさまな物言いに愕然としたし…