【短編】さよならなんて言えなくて
私の誕生日は忘れられない日になった。
いちゃついたりするのが苦手な貴方がそっと差し出した包み。
そっと封を開けると、私の一番欲しかった物。
「大好きな人とのペアリングに憧れるんだあ〜」
まだ付き合う前に私が何気無く、言ったこと、覚えててくれたんだね。
私は涙が止まらないほど嬉しかったの。
泣き出す私をどうしていいかからず、悠真はずっと髪を撫でながら抱き締めていてくれた。
悠真の腕の中で、私はきっと世界で一番幸せだなんて、ゲンキンな私は本気でそう思ったんだよ。