Dear Song
プロローグ
子供の頃、、、


ピアノのコンクールで、同じくらいの少年と出会った。


どんな話をして、どんな言葉を返したか?


全ては、覚えていない。


でも、、、


「ピアノ、好き?」


そう、聞かれて、、、


「嫌い」


そんな言葉を返したのは、覚えてる。


そして、その子は、、、


「僕は好き。君が奏でる音楽」


そんな言葉をくれた。


「ねぇ?ピアノが嫌いでも、音楽は続けててね?また、君と出会いたいから」


別れ際、その子はそんな言葉をくれた。





名前も知らない、男の子。


そんなことがあったことさえ、年を重ねるうちに、、、


あたしは、忘れていた。

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