Dear Song
店内で、兄のバンドの曲が流れた時。


気付かぬ間に、バイト中だと言う事も忘れ、口ずさんで居た。


「綺麗な声」


そう、瑠奈があたしに声を掛けた。


そこであたしは、自分が歌っていたことに気付いた。


「すいません。仕事中に」

「ねぇ。音楽好き?」


特に会話らしい会話もしたことがなかったのに、瑠奈はそんなことをあたしに聞いた。


「、、、好き、です」


少し戸惑いながらも、あたしは瑠奈に返事をした。


そんなあたしに、瑠奈は嬉しいそうに微笑む。


そして、、、


「バイト終わったら、一緒にカラオケに行かない?」


そんな言葉を、あたしに向けた。

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