Dear Song
あたしは上から下まで、兄の様子を伺う。


だけど、本当に大きな怪我はしていない。


「君も大丈夫?」

「だ、大丈夫です」


あたしはそう言い、急いで立ち上がる。


「チャキ、怪我してねぇ?」


兄が心配そうな顔をそ、あたしに尋ねてきた。


「う、うん。あたしは、、、大丈夫」


本当に、あたし”は”大丈夫だ。


でも、、、


やっぱり、先ほどの兄とは違うように思えた。


何か確証があるわけでも、確信があるわけでもない。


だけど、やっぱり、、、


さっきまで普通に話をしていた兄とは、どこか違う。


あたしは兄の手にそっと、手を伸ばす。


その途端、兄はグッ。と、眉間にシワを寄せた。

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