Dear Song
なので、あたしはすぐさま自分の手を引っ込める。


「お、、、DAI、さん」


流石にこの場で「お兄ちゃん」と、兄のことを呼べなくて、、、


あたしは呼びなれない名で、兄のことを呼んだ。


「うん?どうした、、チャキ」


すぐに繕って、平気そうな顔を見せる兄。


そんな兄の目から、、、


「何も、言うな」


そんな言葉が、見受けられる。


「今日、、、絶対に、家に来て?」


今、怪我のことを口にしてはイケないと思い、あたしはそんな言葉を兄に向けた。


「おう。ちゃんと行くから、待ってろ」


そう言い、兄はポンッ。と、あたしの頭を撫でて、、、歩き始める。


そんな兄の背中を、あたしは不安な気持ちで見送った。

< 139 / 392 >

この作品をシェア

pagetop