Dear Song
「チャキ、帰るぞ。俺の怪我は、対したことねぇ」


兄はそう言い、椅子から立ち上がる。


「わたしはそれで、構わないが?このまま手術もしないで、叩き続けて、切断なんでことになっても、わたしは責任は取れないからな」


脅しにも似た、、、


「切断」と言う、言葉。


お医者さんが言うからこそ、それが、、、現実に起こるような気がした。


「、、、お兄ちゃん。切断なんてしたら、本当にドラムは叩けなくなる」

「だけど、来月に、、、全国ツアーが、、、」


今、手術なんてしたら、100%全国ツアーには間に合わない。


だけど今、無理をしたら、、、


一生、叩けなくなるかもしれない。

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