Dear Song
兄が手術をして、ちゃんとステージに上がれるまで、、、


あたしは何があっても、もう歌わない。


歌いたくなんか、ない。


「手術、受けよう?嫌だよ、切断なんて、、、絶対に、嫌だ」


兄は、悲痛に顔を歪め、、、


「俺1人で、決められない。Lanatureは俺だけのバンドのものじゃねぇし」


それは、そうだ。


バンドは、仲間が居て、初めてバンドになる。


あたしにLibreの仲間が居るように、兄にもLanatureの仲間が居るんだ。


「手術して、またドラムを叩きたいなら早い方が良い。良い返事を待ってるよ」


お医者さんは、そんな言葉をあたし達に向けた。


この人は、別にあたし達に意地悪をしているわけじゃない。

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