Dear Song
「お疲れ。あぁ~。なんかチャキのライブ見てたら、叩きたくなってきた」


そう言い、ドラムの叩く真似をする、兄。


相当、音楽バカだ。


と言うより、「ドラムバカ」と、言った方が方が正しいのかもしれない。


「見に来てくれたんだ」

「気晴らしにな」


兄はクシャッ。と、笑みを溢す。


「そっか。リハビリ、順調?」

「キツイけど、早くドラム叩けるように頑張ってますよ」


、、、キツイ。


それは、いつも前ばかり見ている兄から初めて聞く本音だ。


「、、、ごめん。怪我、させて」

「お前、いつの話してんだよ。もう、昔~昔の話だろ。だから、、、もう、謝るなよ。俺はチャキが、怪我しなくて良かったんだから」


優しい兄は、いつもあたしを守ってくれる。

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