Dear Song
子供の頃に、ピアノ教室でいじめられていた時も。


「実力がないのに、親の力で」とか「ピアノの先生に、色目使ってる」とか、、、


そんな身に覚えもないことを言われ、、、


両親に気づかれないように、1人でグッと堪えてた時。


「人のこと、妬んでんじゃねぇよ。下手なんだから、妬んでねぇで練習しろよ」


そんなことを、言ってくれた。


「なんか、お兄ちゃんって、あたしのヒーローみたい」

「なんだ、それ。俺は空なんて、飛べねぇぞ?」


こんな子供のような笑みを溢す兄に、あたしは何度助けられただろう。


悩んでる自分が、とてもくだらなく思えて、、、


自由に言いたいことも言って、好きなことをしていた兄。


そんな兄の背中を追いかけるようになったのは、いつの頃だろう。

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