Dear Song
あたしと兄が「兄妹だ」と知っても、あたしに媚を売ることもないような気がする。


「ごめん。百瀬さんに、答える義務なんてないし。今の、忘れて」


そう言い、悠夢は立ち上がる。


、、、良いのかな?


悠夢に、言わなくて、、、


悠夢はLibreのことを、こんな状況なのに、、、庇ってくれた。


なのに、あたしは、、、何も言わなくて、良いの?


「あの!!」


立ち去ろうとする悠夢のことを、あたしは引き止める。


「信じるか、信じないかは、山下くん次第だけど、、、その、、、」


ハッキリと言わないあたしの言葉を、悠夢は何も言わずに待つ。


「、、、付き合って、ない」


あたしの言葉に、悠夢はゆっくりとあたしの顔を見た。

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