Dear Song
いろんな音が、あたしの頭の中で駆け巡る。


こんなの、初めてだ。


この音たちを、形にしたい。


そして、届けたい。


「山下くん、ありがとう。本当に、ありがとう」


あたしは悠夢の手を握り、感謝の言葉を口にする。


「え?」

「あたし。今凄く、山下くんに感謝してる」


こんな気持ちに、させてくれたから、、、


「もう授業も始まってるだろうし、教室戻るね?」


そう言い、あたしは急いで教室へと向った。


案の定、授業は始まっていた。


担当教科の先生も、あたしがどうして遅れてきたか知っているのか?


「席に着きなさい」


それだけしか、遅れてきたあたしに言わなかった。

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