Dear Song
時間は、ない。


だけど、みんなに聞かせる前に、、、


どんな音になったか、確かめておきたい。


そう思い、ノートをテーブルの上に開いた。


音を確認しながら、アコギを奏でる。


この音を、奏が、瑠奈が、伊吹が奏でたら、、、


どんな曲へと、変わるだろう。


今もよりも、もっと、もっと、、、


良い物に変わるに、違いない。


まだ聞かせていないが、それだけはわかる。


3人の音を、あたしが1番信じていて、1番、、、愛してやまないのだから、、、


最後の音を引き終えた時。


「新曲か?」


そう、いつの間に帰って来たのか?


兄が、あたしに尋ねる。

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