Dear Song
「今日。ちょっと、浮んだメロディを形にしてみただけ。この音を使ってくれるか、まだ、、、わからない」

「良い曲だと、俺は思うよ」


兄は、あたしの頭を撫でる。


「この曲が出来たら、絶対聞かせろよ」


あたしは、兄の言葉に頷く。


「てか、今日。「練習の日だ」って、言ってなかったか?」


その兄の言葉に、ハッ。と、した。


そして急いで立ち上がり、鞄とアコギを手に部屋を出た。


いつもより、荷物が多い。


それでも必死に、練習場所へと足を速めた。


兄に「良い曲だ」と褒められ、少しだけ、、、自信を持てた。


早く、、、


早く、みんなにこの曲を聴かせたい。


そう思うと、自然とあたしは走り出していた。

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