Dear Song
手にしたアコギの音を確認し、3人の顔を見る。


「、、、聴いて、くれる?」


その、あたしの問いに、、、


「もったいぶってねぇで、サッサッ。と、弾け」


奏が椅子に腰を掛け、言う。


そして、さっき兄にも聞かせた曲を、あたしは奏で始めた。


3人は、最後まで何も言わず、、、


真剣な眼差しで、あたしが奏でる音に耳を傾けた。


演奏が終わっても、何も言わない3人。


「、、、ど、どうでしょ?」


そんな3人に、あたしは自分から尋ねた。


「ヒメ、この曲の楽譜あるか?」


伊吹の言葉に、鞄の中から楽譜とは呼べない。


走り書きした程度のノートを、3人に見せた。

< 229 / 392 >

この作品をシェア

pagetop