Dear Song
あたしのことを理解してくれる、仲間が傍に居る。


「ありがとう、お兄ちゃん。あたし、書ける気がする」

『あぁ。今度、聞かせろよ?Libreの歌』

「うん。お兄ちゃんのバンドに、負けないんだから」


そんなあたしの言葉に、兄は鼻で笑う。


『俺だって、まだまだチャキのバンド負ける気はねぇよ』

「いつか、、、お兄ちゃんのバンドと一緒に、ライブが出来たら良い」

『そう思うなら、デビューのこと。考えてみろよ。まぁ、それはチャキが高校を卒業してからの話だな』


デビュー、か。


簡単な話じゃないことくらい、兄だってわかっているだろう。


だって兄は「プロ」と言う、音楽の世界で生きている人間。


その世界の人間だからこそ、大変さは身に沁みてわかっている。


それでも、あたしの背中を押してくれる。

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