Dear Song
あたしはどこかで、悠夢に会っていたのだろうか?


頭の中で、必死に記憶を辿るが、、、全く、わからない。


「あの、高校に入る前にも、、、会ってた?」

「子供の頃に、確か、、、ピアノのコンクールか、何かだった思う」


、、、え?


コンクールには、何度も出たことがある。


その数は、数知れず、、、


どのコンクールで、あたしは悠夢に出会っていたのだろう。


「ごめん。あたし、、、覚えてないないや」


そう言うと、悠夢は、、、


「そうだよね。もう、何年も前のことだし」


そして、悲しそうに笑った。


「でも、、、出会えた。百瀬さんが、音楽を続けててくれたから」


あたしはジッ。と、悠夢の顔を見る。

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