Dear Song
どう頑張っても、どんなに努力をしても、、、


変えられない、現実はある。


それをわからない年でもなければ、あたし達が夢見た世界は甘い世界でもない。


途方もなく、厳しい世界なのだ。


その世界で生き、トップを走ってきた、Lanature。


そんなLanatureは、とてつもなく凄いバンドなんだ。


「メソメソしてんのなんて、俺ららしくねぇな」


伊吹がそんな言葉を、口にした。


「何で、お前らメソメソしてんだ?」


この部屋に来た兄が、初めて口を開いた。


そして、ゆっくりとドラムに近付き、傍にあったスティックを手に取った。


まだ完璧と言えない、兄のドラム。


名もない音が、部屋を包む。

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