Dear Song
お母さんが、あたしのことを名前で呼ぶことも、、、


話をすることも、もう、、、ないんだ。


口には出しては居ないが、あたしはお母さんに勘当されたんだ。


「ごめん、なさい」


そんな謝罪の言葉を溢したところで、擦れ違ってしまったあたしとお母さんには、何の意味も持たない。


わかっていたけど、、、


それでも、言いたかった。


「今まで、、、育ててくれて、ありがとうございました」


あたしは立ち上がり、お母さんに頭を下げる。


お母さんはあたしに背を向けているから、どんな顔をしているか。


あたしには、わからない。


だけど、そんなお母さんの背中がとても小さく見えて、震えていた。

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