Dear Song
その言葉は、自分に聞かせた言葉なのか?


心配そうにしてた兄に、向けたものだったのか?


そのどちらかも、わからなかった。


「寝ろ」


兄はポンッ。と、あたしの頭に手を添える。


「明日も、学校だろ?」


そして、そんな言葉を続けた。


「そうだね」


あたしは兄に、そんな言葉を向け、寝室へと向った。


寝るには、早い時間。


だけど、こんな日は、、、寝てしまおう。


寝て、起きた時。


全てが、悪い夢であって欲しい。


でも、夢なんかじゃない。


まだ少しだけ痛む額が「現実だ」と、語っている。


ゆっくりと息を吐き、ギュッとまぶたを閉じた。


そして、少しでも良いから、、、


この胸の痛みが軽くなってること願いながら、夢の中へと落ちて行った。

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