Dear Song
学校に背を向け、歩き出そうとした時。


「百瀬さん」


そう、声を掛けられた。


そこに居たのは、息を切らした悠夢で、、、


「俺、百瀬さんのこと、、、好きだ」


、、、好き。


その言葉を悠夢から聞くのは、何度目だろう。


振り返り、悠夢のことを見る。


悠夢と同じ時間を共有したのは、ほんの少しの間だけ、、、


でも、、、どれも、鮮明に覚えている。


今になって、少しだけ自分の気持ちに気づく。


あたしは、、、


悠夢の優しさに触れて、好意を寄せていたのかもしれない。と、、、


「あたしも、好きだった、と、思う」


真っ直ぐに悠夢を見て、あたしは告げる。

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