Dear Song
「いけすかねぇ、奴なんだよ」


奏はステージから視線を逸らすことなく、そんな言葉を呟いた。


「あたし達の同級生。Jeunesseで、ギターやってるのよ。そいつと、奏では犬猿の仲なの」

「まぁ、原因は俺の取り合いみたいだけどなぁ」


瑠奈の言葉に続き、伊吹が言う。


「取り合い?」

「奏が俺に「バンドやろう」って、誘ってるのを知ってたのにも関わらず、あっちも俺のこと誘って来たんだよ」


伊吹は、苦笑いをする。


「伊吹は、Libreで良かった?」

「もちろん。でもJeunesseは、視界に入れといた方が良い。俺らLibreとって、Jeunesseは近い将来ライバルになるだろうし」


、、、ライバル、か。


あたしは再び、視線をステージへと戻した。

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