Dear Song
歌を歌い終え、奏が最後のメロディを奏でた。


そして、そのメロディが消え、あたしは一息つく。


「ありがとう、ございました」


頭を下げ、そして観客に手を振る。


そして少しずつ、暗くなるライト。


完全に消えたライトを確認し、ステージ脇へと、あたし達は場所を変えた。


「チャキー」


そう言い、瑠奈はあたしに抱き付く。


そんなあたしと瑠奈の様子を、頬笑みながら伊吹は見つめる。


ライブの余韻に浸り、人が幸せの気分で居るってのに、、、


奏はその空気をぶち壊すように、大きめの舌打ちを零した。


「奏!なんでライブ終わりなのに、そんなに機嫌が悪いわけ?!」


ムッとしたように、瑠奈は奏で詰め寄ろうとした。

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