Dear Song
学校に友達が居なくても、大事な仲間が傍に居る。


それだけで、あたしは良いんだ。


「行ってきます」


誰も居ない部屋に、そんな言葉を残し、あたしはいつものように学校へと向った。


窓側の1番前の席。


それが、学校でのあたしの居場所だ。


いつもと同じ風景を眺めながら、あたしは学校での時間を過ごす。


あたしが登校し、自分の教室に来た時は誰も居なかった席が徐々に埋まって行く。


そして女の子たちがザワザワと、騒ぎ始めた頃。


「おはよう」


そんな爽やかな挨拶と共に、2人の男女が教室へと入ってくる。


彼ら2人とあたしは、なぜか3年間同じクラス。


だから、この光景も見飽きた。

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