Dear Song
「送って行けねぇけど、気をつけて帰れよ?」

「大丈夫。ちゃんと、帰れるから。後のこと、お願い」


きっと、伊吹は湊と奏のことをちゃんと収拾するだろう。


だから、そう告げ、、、あたしは自分の家に向って歩みを進めた。


お店から出て、1つ角を曲がった時。


「百瀬さん」


そう、名前を呼ばれた。


ふと立ち止まり、声のした方を向くと、悠夢が立っていた。


「女の子がこんな時間に1人で歩いてたら、危ないから送るよ」

「え?でも、、、悪いよ」


あたしは悠夢の提案に、遠まわしに断る。


「百瀬さん、家どこ?」

「、、、H街」

「俺、隣のO街だから、ついで」


そう、悠夢はあたしの隣に並び、歩き始める。

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