Dear Song

今まで真面目に過ごしてきたあたしの言葉に、両親は反対なんてしなかった。


「自分の感性を磨くのは、大事なことだ」


そんな言葉をくれたような、気がする。


ピアノ教室を辞めてから、ピアノに対する興味は段々薄れ、、、


あたしは兄が教えてくれる、楽器たちに夢中になった。


奏や瑠奈、伊吹のように、完璧に弾きこなすことが出来なくても、それなりには弾ける。


そんなあたしが無我夢中になったのは、アコースティックギターだった。


アコギ独特の音に、肌で感じる何とも言えない響き。


あたしはすぐに、アコギの虜になった。


そんなあたしを、両親は知らない。


今も自分たちの言いなりになり、あたしは真面目にピアノの勉強をしていると思っているだろう。