暴走族に恋した私
「階段で話そう。」
白石ちゃんは、無理やり腕を掴むと歩き始めた。
周りのみんなが、心配そうに私を見てとのがわかった。
だけど、白石ちゃんの手を振り払うことは出来なかった。
ガチャ
屋上から出ると、白石ちゃんは私の手を離した。
「ねぇ、由奈さんって好きなの?」
白石ちゃんは、無表情でそう聞いてきた。
何が好きなのか、聞き返さなくてもわかった。
げど、聞き返した。
仁の事だろうって思ったけれど、きっと悪い話だから聞きたくない・・・って思ったから。
「仁のこと。」
やっぱり、仁のこと。
好きっていうこと、言っていいのかな・・・・。
言っても怒らないよね。