暴走族に恋した私
「私、仁のこ「付き合ってるの。」
白石ちゃんが私に言葉を遮るように、言い放った。
付き合ってる・・・?
ドクンと驚きのあまり、心臓が不整に働く。
「ずっと、前から・・・私が外国に行く前から。」
真剣な表情で、でも少し余裕がある笑みを浮かべて言う。
走って逃げたい気持ちが、全身を覆う感じがする。
恥ずかしい、彼女が居るのに期待したり好きになったり・・・恥ずかしい。
それに、悔しい。
胸の中がもやもやして、体を支配していく、ウソっと言ってほしい。
「ごめんね、」
「できれば、由奈さんに聞いてほしいの。」
私の顔を覗き込んで、言う。
普通の男の子だったら、イチコロだろうな・・・私も男だったらきっと、好きになっちゃってる。
こんなきれいな人を仁は、独り占めしてるんだ。