暴走族に恋した私
「私、父に暴力を振られていたんだよね・・・それを母は、見ないフリ。」
何も言わない私に、話し始める白石ちゃん。
重い話のようで、なかなか口を開けない。
「助けてくれたのが仁なの、その時からずっと好きなの・・・仁の事。」
「それで、仁も私の事が好きだって。」
白石ちゃんの表情は、恋する女の子の顔になっている。
二人は、好き合ってるんだ。
もともとから、思いが通じ合っていたんだ。
「仁ね、私と由奈さんを重ねてるんだと思う。」
「あなたも暴力ふられてたんでしょう?一緒じゃない。それを重ねてたの。」
唇をぎゅっと噛みしめる。
重ねてる・・・・って、私を助けたのも白石ちゃんと重ねたから?
そうじゃないって、信じたい。