暴走族に恋した私

空虚




「はよう。」






廊下ですれ違う時、仁と出会った。



仁が私に挨拶をしてくれたけど、私は無視をした。



話しかけちゃいけない、気にしちゃいけない、好きでいちゃいけない。




だから、見ちゃダメ。



でも、仁がどんな表情なのかが気になるの。






私は、やっぱり気になってすれ違った仁を見た。



仁は、私に背を向けていて白石ちゃんと一緒に居た。



心がポカッと穴が開く感じがした。




忘れてた、彼女が居たんだった。




だから、私なんていらないんだった、興味すらないんだった。







「・・・おはよう。」






見えなくなった仁に、遅い挨拶をした。



ごめん、無視なんかして。



でも、もう二度と迷惑なんか掛けないから、本当にごめんなさい。

< 108 / 295 >

この作品をシェア

pagetop