暴走族に恋した私
空虚
「はよう。」
廊下ですれ違う時、仁と出会った。
仁が私に挨拶をしてくれたけど、私は無視をした。
話しかけちゃいけない、気にしちゃいけない、好きでいちゃいけない。
だから、見ちゃダメ。
でも、仁がどんな表情なのかが気になるの。
私は、やっぱり気になってすれ違った仁を見た。
仁は、私に背を向けていて白石ちゃんと一緒に居た。
心がポカッと穴が開く感じがした。
忘れてた、彼女が居たんだった。
だから、私なんていらないんだった、興味すらないんだった。
「・・・おはよう。」
見えなくなった仁に、遅い挨拶をした。
ごめん、無視なんかして。
でも、もう二度と迷惑なんか掛けないから、本当にごめんなさい。