暴走族に恋した私
私は、心で何度も謝りながら、教室に向かった。
教室に入ると、すぐに席に着いた。
会いたい人が居なくなった瞬間、世界ってこんなにもモノクロになるんだ。
「あのね、昨日ね。」
「あぁ、あいつだろ。」
女の子の声、男の子の声、どちらも楽しそうな声。
耳を防ぐ。
逃げ出したい、なんで好きになったんだろう。
助けてもらったからって、なんで好きになったんだろう。
好きにならなかったらよかったのに、そしたらこんなに傷つかないで済むのに。
『仁。』
頭の中で、白石ちゃんと仁の楽しそうな姿が思い浮かんだ。
もうっ、頭から消えて。
私は何もかもから隠れるように、頭を隠して机に頭を伏せた。