暴走族に恋した私
どのくらいか泣くと、私は逃げるように教室から出て行った。
それは、廊下から人の声が聞こえたから。
泣いてる姿なんて、人に見られたくない。
適当に、道をはしる。
居場所のない私には、どこに行くかを選ぶのは至難だった。
屋上も無理、教室も無理。
私は学校に居ることさえ苦痛になって、家に行くことを選んだ。
家には、母は居なかった。
仕事で居ないんだ、よかった。
私は安心しながら、膝からその場に座り込んだ。
――『いつでも、電話していいから。』
仁の言葉を思いだして、電話をかけ始めた。
捨てたはずのものを拾う私は、バカな人で。
酷い言葉まで言って、助けてくれたのに裏切った私は最低な人で。
それでも、好きと思う私はもっと最低な人。