暴走族に恋した私
どのくらい走ったんだろう。
いつの間にか自分の住んでいる町にいた。
普段はいかないような住宅街。
足は、限界だ。と叫んでいる。
いや、足だけじゃなくて体全身が叫んでいる。
暑さのせいか、痛いせいか、頭もガンガンする。
「っう。」
頭痛がして、その場にしゃがみこんだ。
もう、ダメ。
頭が痛すぎる。
目眩がする、もう死ぬのかって錯覚するくらい。
その時、頭の上から男の人の声が聞こえてきた。
「どうした?」
低いけれど、とても綺麗な声だった。