暴走族に恋した私
「嫌いっ、由奈さんなんて嫌い。」
涙をジワリと浮かべて、それをすぐふき取る。
胸が物凄く、締め付けられたように感じた。
「あんたなんてっ!!」
白石ちゃんが私の胸倉をつかんで、頬を力強くたたいてきた。
叩かれた部分を押えて、痛みと葛藤する。
何も言えない、何で叩くのとか・・・言えない。
白石ちゃんだって、きっと好きって想いが強いんだ。
「ごめんなさい。」
「謝るなら、仁に手を出さないでよ。なんで、アンタばかり!!」
大声で言い終わると、肩を大きく揺らしながら呼吸をする。
涙をポロポロ流す姿に、私は謝ることしかできない。
頬の痛みなんか分からなかった。
ただ心が、ひどく傷ついたのが分かった。