暴走族に恋した私
「はっくしゅん。」
私は、寒くなって豪快なくしゃみをした。
それを見て、仁はクスクス笑いだした。
「色気のねぇ、くしゃみ。」
「っむ。」
私が頬を膨らませ、すねた様子を見せるけど。
仁はまだ笑っている。
「リスだな。」
そういって、私の頬を指でさすと、また笑いだす。
また前みたいに戻った気がして、私は思わず口が綻んだ。
こんな会話が好きだった。
「寒いんだろ?ちょっと待ってろ。」
仁は笑いつつもそう言って、保健室のタンスから何かあさりだす。
仁は笑いすぎたのか、少しだけ涙が滲んでいた。
ちょっとイラッとしたが、笑ってくれていることが嬉しかった。