暴走族に恋した私
もう何を考えれば、いいのかもわからない。
頭がボーっとなってる。
そして、遂に崩れるように倒れた。
殴られだ痛みや倦怠感の中で、よくここまで歩けたと思う。
ここがどこか、分からないけど。
まぁ、いま分かるのは雨のせいで地面がとても冷たいってことと。
あと雨が、よわってる私に容赦なく、大粒の雫を打ちつけてることだけ。
そんな時、雨がいきなり止んだ。
ピタリと、今さっきの雨が嘘のように。
「こんなとこで、何寝てんだよ。」
頭上から、声がした。
力を振り絞って見上げてみると、仁がいた。
雨が止んだと思ったのは、仁が私を雨から塞いでいたからだったんだ。
でも、なんで居るの?
「ったく、ほら。」
仁は私を世にいう、お姫様抱っこをする。
なんでこの人は、酷いんだろう。
勘違いして私を突き離したと思ったら、こうやって助けに来る。
そうやって、また私を期待させるんだ。