暴走族に恋した私
「俺を見ろよ、ちゃんと。」
顎を掴んで、顔を自分の方に向ける仁。
「伝えたいことがある。」
真剣な表情の仁。
「留守電、聞いた。」
「っへ?聞いたの?」
こんな状況で、仁からのいきなりのカミングアウト。
徐々に顔から火が出たように、熱くなる。
私は顎に置かれた、仁の手を払って、布団の中にもぐりこんだ。
いまさら聞かれるなんて、最悪。
「ごめん、もうやめるから。」
実際やめれないのに、そんなことを言う私。
体を抱きかかえて、仁の言葉を聞かないようにする。
ここでフラれたら、きっと悲しくて泣いてしまう。
お願いだから、ここでは返事を言わないで。