暴走族に恋した私
「ごめん。」
じわっ
涙が溢れる、けれども我慢する。
泣くな、バカ。
ほら、やっぱり断られたよ・・・だからって泣いちゃダメ。
「先に言わせて、ごめん。」
仁が私のかぶった布団をはがす。
そして、不意に目と目があった。
「好きなのやめるとか、言うなよ。」
仁の端正な顔が、私に近づく、唇と唇が触れそうな位の距離にまで。
仁は耳元で、ある言葉をささやくと。
もう一度私の目を見て、唇を重ねてきた。
色々な角度から、何度も、何度も、とろけるような甘いキスを何度も。
嘘としか思えない・・・・けど、どうしようもなく嬉しい。
私はどうしようもなく零れた涙を拭きとることもせず、腰に腕を回した。
『好きだ。』って耳元でささやくなんて、卑怯だよ。
そんな嬉しい言葉を言うなんて。