暴走族に恋した私
「わ、私、歩けるよ!」
「足痛いんだろ?」
「そうだけど・・・。」
確かに挫いた足は、ズキズキと痛みが走っている。
歩いたりするだけで痛いけど、流石におんぶは恥ずかしい。
なんで、仁はこんなに平気なんだろう。
恥ずかしくないのかな・・・。
けれど仁は、降ろすことなく幹部の部屋にまで向かった。
幹部の扉の前に着くと、私は仁の背中から降りた。
「ありがとうね。」
「ん。」
仁が中に入ると、私も続いて入った。
中には幹部のメンバーが待っていた、そしてそこには白石ちゃんの姿もあった。
不意に目があって、睨まれた。
私は隠れるように、仁の背中の後ろに下がった。
「由奈ちゃーん!おめでとうっ。」
真崎が私に飛びつくように、抱き着いてきた。
仁は、私たちを勢いよくはがし始める。