暴走族に恋した私
仲間
靴箱で靴を履きかえると、近くには巴の姿があった。
「巴。」
巴は一度立ち止まると、振り返るけど、また前を向いて歩き出した。
今、無視された・・・?
そんなわけないよね、ちょっと巴を追いかけよう。
「巴、おはよう。」
巴の目の前に来て、声をかけた。
私を見ると、みるみる表情を暗くしていく。
「私の事嫌い?」
「・・・・何言ってるの?」
「嫌いなんでしょ。」
いつもの明るい巴とは、少し様子がおかしい。
巴は下唇を噛みしめながら、大きな目に涙をためている。
「好きだよ、巴の事。」
「見知らぬ私を治療して、優しくしてくれて、友達って言ってくれて。」
「初めて恋の相談だってした、嫌いなわけないよ。」
巴の目をしっかり見て伝えた、すると巴はその場にしゃがみ込んで泣き始めた。
嗚咽でうまく息をすえていない巴の背中を、さすりはじめる。