暴走族に恋した私
「ゆっ・・な、までっ、嫌いになったら・・・私。」
「私・・・っう、」
大丈夫、大丈夫、と言いながら巴をしっかり抱きしめた。
巴の肩は小刻みに震えている。
いつもはお姉さんみたいで、しっかりしている巴だけど、やっぱり弱いところはあるんだ。
私がいつも、迷惑をかけてばかりだったから・・・今度は助ける番になりたい。
「私は・・・絶対に、嫌いにならない。」
巴は私の服を掴みながら、首をうなずいた。
嬉しいって、受け取っていいのかな?
「人来るから、保健室にでも行く?」
「・・・うん。」
私は泣いている巴を、背中に隠して歩き出す。
私が壁になって、巴が泣いていることに周りは気づかない。
それに今は人が少ない時間帯だから、早く行こう。
私は早足で、保健室に向かった。