暴走族に恋した私
「着いていこうか?」
「ううん、大丈夫。」
私を首を横に振ると、巴は歯切れ悪そうにうなずいて手を離した。
巴は私を心配そうに見るけど、私は大丈夫。
昨日は怖かったけど、確かに逃げてばかりじゃいけない。
私は大きく息を吸って、白石ちゃんのもとに向かった。
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「由奈。」
独りになった保健室で、そうつぶやいた。
泣いて腫れた目も、冷やしたおかげで腫れも引いてきた。
氷の入った袋を近くの机に置く。
きっと、由奈に秘密を話したら・・・由奈だって離れると思う。
嫌になると思う。
世間だって私たちの関係を認めない、家族だって、龍王のみんなだって。
離れていくと思う。