暴走族に恋した私
でも・・・・。
「仁、もうやめて。」
私は仁の手を、白石ちゃんの腕から離す。
「お前の足って、こいつのせいだろ?」
「ううん、私がこけた。」
私は首を横に振りながら、答えた。
白石ちゃんは、下唇を噛みしめて俯いた。
「全部、私のせい。」
「お前は、優しすぎだよ・・・バカ。」
仁が私の頭を優しくなでる、心配そうな表情の仁を見て、少し心が痛む。
心配をかけちゃってる、私。
「心配かけんな。」
仁は、私を抱きしめた。
そして、今さっきこぼれた涙を拭いてくれた。
きっと、白石ちゃんはこんな仁を好きになったんだろう・・・優しくて、強い仁を。
私が優しんじゃない、恋してるから分かるんだ。
白石ちゃんの気持ちが。
嘘をついても、手に入れたいって・・・思ってるんだ。