暴走族に恋した私


「白石ちゃん。」




「・・・なに?」




「ごめんね。」






白石ちゃんの瞳が揺れた。



驚いたように、でも傷ついた顔に・・・一瞬して変わった。



白石ちゃんは、罪悪感だってあるんだと思う。






「でも、仁は譲れない。」




「分かってた・・・私がどんだけ、頑張っても無駄なこと。」






白石ちゃんは、その場にしゃがみ込んだ。



「ずずっ」っと鼻をすする音が聞こえた、泣いてるんだ。



私たちは、慰めることも出来ずに、ただその白石ちゃんの姿を見ていた。



しばらくすると、白石ちゃんは言葉を発した。






「もう、一人にさせて。」





私と仁は、目を合わせるとうなずいて、その場を去ることにした。



歩き出そうとしたとき、白石ちゃんが何かをしゃべる。



< 171 / 295 >

この作品をシェア

pagetop