暴走族に恋した私
「歯、くししばって。」
由奈のしっかりと意思のある言葉が、その場に響いた。
その瞬間、パシンっと乾いた音が響いた。
仁と新は驚いて、目を見開く。
「そんなこと言わないで。」
「皆は、優しいよ・・・ものすごく。」
涙を流しながら、懸命に訴える由奈。
「助けに行ってくる。」
「あぁ・・・・仁、いいお姫様見つけたな。」
「だろ?強くて、優しいよ。由奈は。」
仁は、そういうと、由奈のもとに向かって走りだした。
そして、新はその後ろ姿を見て、口角をあげた。
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