暴走族に恋した私
「ありがとう!」
このときは、笑っていた。
まだ、知らなかった。
何ひとつ。
これから、終わりに近づくことも。
別れ、嫉妬、恐怖、苦痛、これからに良いことは、何もなかった。
―――私は、無力の姫。
初めてのバイトに来ていた。
「私の名前は、巴って言います。」
巴は、よろしくお願いします。と付け加えた。
すると、皆は「宜しくね。」とフレンドリーに答え、視線は私に変わった。
私は、息を吸って自己紹介始めた。
「わ、私は、ゆ、ゆ、にゃでしゅ。」
緊張して頭の中が、真っ白になった。
あっ、ゆにゃ?でしゅ?って。
か、噛んじゃた。
周りを見てみると、クスクスと笑っている。